マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

遊牧の起源(4)

 アフリカ大陸を巣立った人類は――

 西アジアの東部で、しばらく滞留をした後――

 

 そこを起点に――

 一部は、南アジアから東南アジア、オセアニアへ――

 一部は、中央アジアから東アジア、北アジアへ――

 一部は、東ヨーロッパから北ヨーロッパ、西ヨーロッパへ――

 それぞれ分散をしていったと考えられている。

 

 ……

 

 ……

 

 あえて繰り返し述べると――

 

 起点は、

 ――西アジアの東部

 であった。

 

 今でいうイラン高原の辺りだ。

 

 この高原で――

 人類は、

 ――遊牧

 という生活を見出したのではなかったか。

 

 ……

 

 ……

 

 世界最古の遊牧民族は――

 紀元前9世紀のロシア平原に現れた、

 ――キンメリア人

 といわれる。

 

 が――

 ここでいう「世界最古」とは、

 ――農耕民族が編んだ人類史に最初に登場をした遊牧民族

 という意味である。

 

 実際には――

 農耕民族が記録に留める遥か昔から――

 例えば、今から 1 万~ 3 万年前から――

 遊牧民族が、イラン高原の辺りを拠点に栄えていたのではないか。

 

 そして――

 紀元前9世紀頃――つまり、今から 3,000 年くらい前に――

 イラン高原の辺りからロシア平原の方へ出向いていったのが、キンメリア人であった――

 

 要するに――

 遊牧の起源は、イラン高原の辺りに求めるのがよく――

 ロシア平原に求めるべきではない――

 ということである。

 

 少なくとも、アフリカを巣立った人類の足跡を辿る限り――

 遊牧の起源は、イラン高原の辺りに求めるのが最も自然である。

 

 むろん――

 東アジアや北アジアに求めてもよい。

 

 東アジアであれば、今でいうモンゴル高原か。

 

 北アジアであれば、かつて温暖であったシベリアか。

 

 もし、そうなら――

 モンゴル高原やシベリアは、当時、イラン高原より遥かに遊牧に適していたことになる。

 

 もっとも――

 そこまで考えを進めると、空想の域になる。

 

 『随に――』