マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

何かの意見を表明するということは

 何かの意見を表明するということは――
 必ず何かを切り捨てることにつながっているものです。

 例えば、

 ――今こそ、Aが必要である。

 と意見を表明した場合は、言外に、

 ――Bは、もう必要ない。

 ということが表明されているに等しかったり――
 あるいは、

 ――Cには取り組むべきではない。

 と意見を表明した場合は、言外に、

 ――Cで恩恵に与る人々を見捨てても構わない。

 ということが表明されているに等しかったりします。

 何かに光を当てれば、必然的に陰ができる――
 それが道理です。

 意見を表明し慣れている人は、この道理にも慣れています。
 つねに陰を作っている自覚が頭を離れない――

 ですから、光の当て方にも慎重です。

 が――
 意見を表明し慣れていない人は、この道理を知りません。
 自分が陰を作っている自覚が抜け落ちている――

 ですから、光の当て方は大胆です。

 どちらが良いとか悪いとかいうことはないでしょう。

 ただ、そういう違いがあるということです。