今、目の前にいる人が、
――AはBだ。
といっていて――
その人が、きのう、
――AはCだ。
といっていたことに気づいたときに――
僕らは、どのように対応したらよいでしょうか。
――それは、おかしい。あなたは、きのうは「AはBだ」とおっしゃっていましたよ。
といってよいでしょうか。
……
……
よくないのですよね。
もちろん――
その人が、うっかり思い違いをしてしまって、本当は「AはCだ」というべきところを「AはBだ」といってしまっている可能性はあります。
仮に、そうであったとしても――
「それは、おかしい」とは、いわないほうがよいのです。
――そうですか。AはBなのですね。きのうは「AはCだ」とおっしゃっていましたが、今は状況が変わったかお考えが変わったのですね。
といったほうがよいのです。
誤解を恐れずにいえば――
過去のその人が何をいっていたかは、さして重要ではないのです。
今、目の前にいるその人が何をいっているか――
それこそが、重要なのです。
世の中の状況や人々の考えは、時々刻々と変化していきます。
それが現実です。
そのような現実を、人は、どんなときであっても念頭においておく必要があります。
そういえば、
――君子、豹変す。
などともいいますよね。