マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

言葉中毒には要注意

 人の日常生活の大部分は、言葉から成り立っています。

 人は――
 言葉で考え、自分の意思を決め――
 それを言葉で表し、他者に伝え、他者と関わっています。

 日常生活は意思の決定の連続であり――
 多くの場合、他者と関わり続ける営みでもあります。

 ですから――
 日常生活は言葉で成り立っている――
 言葉を全く使わない日常生活というのは、ちょっと考えられないといってよいでしょう。

 それゆえに――
 漫然と日常生活を送っていると、言葉だけになってしまいます。

 言葉を使わない営みのすべてが、日常生活から締め出されていく――言葉に寄りかかってしまう――
 いわば、言葉中毒の状態です。

 ですから――
 ときには、言葉以外で考え、自分の意思を決め――
 それを言葉以外で表し――例えば、音楽や美術などで表し――他者に伝え、他者と関わっていく――
 そういった営みも、健全な心を保つのには必要でしょう。

 人の心の働きは言葉のみに偏っているのではありません。

 人の心を十全に働かせようとするのなら――
 言葉中毒であったよいはずがありません。

 ここに、音楽や美術の価値を見出せます。