たとえ、答えににくい質問ではあっても――
訊かれたことには真摯に答えないと――
余計な誤解を与えることになりえます。
――例えば、AはBだと思うか。
と訊かれ、「その通り」とは口が裂けてもいえないようなときに、
――αはβだと思う。
と答えれば――
答えたほうは、答えにくい質問を巧くかわしたつもりでも――
訊いたほうは、
――「α」とは「A」のことで、「β」とは「B」のことだとみなせる。つまり、「AはBだと思う」と答えたに等しい。
と解釈するものです。
質問を巧くかわしたどころか、むしろ誘導尋問に乗ってしまったかのように扱われてしまう――
そういうときは、訊かれたことに真摯に答える――
例えば、
――その質問には答えられない。しかし、αならばβだと思う。
と答えればよいのです。
「その質問には答えられない」と明確に答えれば――
余計な誤解を与える可能性は格段に低まります。