マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

それだけで切りとってみていたら

 型を守り、ときに型を破る――
 それが芸の要件ならば――

 ある芸が一流であるか否かは、容易には判断できない――
 ということになります。

 型を守っている素人が型を破っている玄人よりも高く評価されることは十分にありうるでしょうし――
 逆に――
 型を破っている素人が型を守っている玄人よりも実際以上に低く評価されることは十分にありうるでしょう。

 おそらく――
 芸に「一流」という概念は存在しないのです。

 本当の素人と本物の玄人とがいるだけ――

 本当の素人が、たまたま「一流」とみなされることがあれば――
 本物の玄人が、ときに「一流でない」とみなされることもある――

 ある芸をそれだけで切りとってみていたら――
 その芸の真の価値を多くの場合は見誤ります。