マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ヒトの脳の人らしい働きについて、いくら詳細に考察しても

 生物種としてのヒトを、人らしく振る舞わせる働きというのは――
 おそらくは、ヒトの脳が担っていますが――

 その働きは――
 ヒトの脳の働きの基本的な部分からは、かなり遠いのでしょうね。

 脳の働きの基本的な部分というのは――
 例えば、ヒトの脳をコンピュータに喩えたときの電子回路の働きに相当するといえます。

 コンピュータの電子回路とは――
 電圧の正負や高低などを利用し、論理演算を実行する回路のことですね。

 そういった電子回路の働きが、コンピュータのソフトウェアらしい働きから遠いのは――
 ほぼ疑いようがありません。

 よって――
 ヒトの脳の人らしい働きについて、いくら詳細に考察しても――
 おそらく、ヒトの脳の働きの基本的な部分には迫れない――
 ということになります。

 逆にいうと――
 ヒトの脳の働きの基本的な部分が十分に理解できれば――
 ヒトの脳の人らしい働きを詳細に検討できるでしょう。

 ヒトの脳の働きの基本的な部分というのは――
 おそらくは脳の神経細胞の働きです。

 もう少し厳密にいうと――
 神経細胞同士の相互作用です。

 生きているヒトの脳の中で、すべての神経細胞の活動が正確に観察され――
 それら神経細胞同士の相互作用が詳細に把握され、解釈されるようになれば――
 ヒトの脳の働きの基本的な部分が十分に理解されたといってよいでしょう。

 問題は――
 すべての神経細胞の活動を、いかにして正確に観察するかです。