自然現象のメカニズムを説明するときに――
余計な仮定を前提とすることは慎みたいところです。
たしかに、適切な仮定を前提とすることで、自然現象を理解しやすく説明することはできます。
とくに物理学の初歩では、そうした説明が、わりと頻繁に用いられます。
が――
仮定は仮定であって――
それが真実を反映しているかどうかはわからないのです。
いえ――
――真実を反映しているかどうかを見極めることは人知の及ぶところではない。
というのが、より精確な記述でしょう。
人知の及ぶところでないものを導入することは、ある意味、人知の否定です。
そのような操作は――
芸術では行われても悪くはありませんが――
学問では、ちょっといただけません。
学問とは、人知を究める営みだからです。
よって――
少なくとも学問の世界では、
――巧く説明できれば、それで文句ないだろう。
という発想には慎重になるのがよいでしょう。
けれども――
そういう説明って、案外、少なくないのですよね~。
(巧く説明したい!)
という意気込みには共感するのですが……。