英語を聞いたり話したりすることと日本語を聞いたり話したりすることとは――
頭の使い方も、気持ちの持ちようも、全く変わってきます。
よって――
ずっと日本語で聞いたり話したりしていたところで、急に英語に切り替わったりすると――
エラいことになるのです。
きのう、そういう目にあいました。
英語の講演を日本語の同時通訳つきで聞いたのですね。
講演者の方が、英語を母語とする人でなかったこともあり、同時通訳なしでも十分に聞き取れる速さの英語だったのですが――
講演の中身をもっと正確に把握しようと考え――
同時通訳のイヤホンを手にしたのです。
そうしたら――
かえって聞き取りにくくなりました。
英語と日本語との切り替えに手間どったのですね。
同時通訳ですから、英語を聞き取りながら、それにワンテンポ遅れて流れてくる日本語を聞き取っていく、ということになるのですが――
要するに、英語と日本語との切り替えが頻発するということなのですよね。
この切り替えに慣れるには、どうすればいいのか――
以前は、
(とにかく英語だ。英語に慣れさえすればいいんだ)
と思っていました。
僕は日本語が母語だから、日本語には慣れている――あとは英語に慣れればいい――
ところが、英語に慣れるだけではダメなのですよ。
日本語に慣れ、英語にも慣れれば、両者を自在に切り替えられるかといえば――
答えは「ノー」です。
当たり前の話ですが――
切り替えそれ自体に慣れなければダメなのです。
同時通訳つきの講演では、今度から躊躇せずにイヤホンを手にしようと思っています。