政治は理想や合理性だけでは進展しません。
現実と向き合い、ときには理不尽を受け入れる――
そういう決断の連続が政治です。
中国のことです。
先頃の尖閣諸島事件で中国政府が日本政府に対して採った対応は、理想や合理性とはかけはなれていました。
少なくとも、多くの日本人の目には、そう映りました。
が――
だからといって、中国政府の存在を認めないわけにはいかないのですよね。
そういう政府が今の中国を統べている現実は動かせないので――
したがって――
ときには、中国政府の要求の理不尽を受け入れざるを得ない――
なぜならば――
その「理不尽」を、中国政府は理不尽とは思っていないからです。
少なくとも、そのようにみえる――
もし、中国政府も自身の要求が「理不尽」と思っているのなら、問題は程なく解決するでしょう。
自身の要求を「理不尽」とみとめるような政府は、民心の離反を招き、程なく瓦解するでしょうから――
が――
おそらく、そうではありません。
今の中国政府には、ある程度の民心がついている――
過半数とまではいわないものの、相当数の中国人が今の中国政府を支持している――
その現実を受け入れなければなりません。
中国政府の要求を突き返すことは容易にできても、中国人の思想や信条を変えることは容易にはできませんから――