マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「性倒錯」ではなく、「性の倒錯」

 ――歌の主人公の性別と唄い手の性別とが逆転すること

 を、

 ――性の倒錯

 と――
 きのうの『道草日記』で記しましたが――

 この「性の倒錯」という語句は――
 案外、苦心の末に編み出したものでして――

 ……

 ……

 といいますのは――

(歌の主人公の性別と唄い手の性別とが逆転するくらいのことを、わざわざ「性倒錯」と記すのは、ちょっと違うなぁ)
 と思ったのですね。

 「性倒錯」は――
 一般に、

 ――性の嗜好の手法が社会規範から逸脱していること

 を指します。

 例えば――
 加虐・被虐性愛や死体性愛、小児性愛、偶像性愛、露出性愛、窃視性愛などを指します。

 もちろん――
 歌の主人公の性別と唄い手の性別が逆転することも――
 性倒錯の一種とはいえますが――

 その異常性は軽微に思われますので――少なくとも、死体性愛とか露出性愛とかに比べたら、軽微といえますので――
 わざわざ「性倒錯」と記すのが、ためらわれたのですね。

 そこで、

 ――性の倒錯

 と記すことにしました。

 ……

 ……

 ――倒錯

 には2つの意味があります。

 1つは、

 ――社会規範から逸脱していること

 で――
 もう1つは、

 ――逆になっていること

 です。

 きのうの『道草日記』では――
 2つめの意味のつもりで、「性の倒錯」と記しました。

 つまり、

 ――性が逆になっていること

 です。

 「性倒錯」と記すと――
 なぜか必ず1つめの意味になってしまうようです。