自分の世界は――
厳密には――
自分の自我が向き合っている世界は、
――たぶん、狭い。
と思っておくのがよいでしょう。
他者の世界が――
たとえ、どんなに狭く感じられても、
――オレの世界は、あいつの世界よりは広い。
などとは――
決して思わないことです。
自分にとって――
確実にわかる世界は――
自分の自我が向き合っている世界だけです。
他者の自我が向き合っている世界の本当のところは――
決してわかるものではありません。
自分にとってのたった一つの世界を、
――すでに十分に広くした。
などと錯覚したりせず、
――まだまだ、狭い、狭い。
と決めてかかるくらいが――
たぶん――
ちょうどよいのです。
……
……
誰かに向かって、
――お前、世界が狭いよ。
などと軽々しく批判するような人を――
僕は――
あまり信用していません。