マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

舞台が別の次元へと変化する物語

 物語の勢いは――
 物語の三要素:

  1)舞台
  2)人物
  3)事象

 を変化させることで生まれる――
 といえます。

 もっとも汎用されるのは――
 事象の変化でしょう。

 ある出来事が起こり、さらにそれに被さるようにして何か別の出来事が起こることで――
 物語は展開の牽引力を増します。

 また――
 人物の変化も、しばしば汎用されます。

 主役や準主役が心身ともに成長をする、あるいは、子や孫へと代がわりをすることで――
 物語の中の時間の流れに重みが増します。

 一方――
 これら事象や人物の変化とは違って――

 舞台の変化というのは――
 それほど汎用されるわけではありません。

 とりわけ――
 舞台が別の次元へと変化するような物語は――
 そんなに多くはみかけません。

 ここでいう「別の次元へ」とは――
 例えば、

 ――“現代日本の中学生たちの通学路”という舞台から、“地球外知的生命体と遭遇する深宇宙”という舞台へ

 といった意味です。

 こうした舞台の変化は――
 小説よりもマンガで、マンガよりも映画やTVドラマで――
 効果絶大です。

 動画による視覚情報の奔流が――
 別の次元の舞台の変化を雄弁に叙述し、説得しうるからです。

 近年の映画のヒット作には――
 舞台が別の次元へと変化する物語が多くなってきている――
 と感じます。