マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

詞先より曲先が多いわけ

 ――最近の歌作りでは、まず先に作曲をし、あとで作詞をすることが多い。

 ということを――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 つまり、

 ――曲先

 ですね。

 僕は、これを、

 ――きょくせん

 と読んでいましたが、

 ――きょくさき

 と読む人も少なくないそうです。

 この「曲先」とは反対に、

 ――先に作詞をし、あとで作曲をする。

 は、

 ――詞先

 と書き、

 ――しせん

 ないし、

 ――しさき

 と読みます。

 ところで――

 ……

 ……

 最近、曲先の歌作りが増えているのは――
 歌詞よりも旋律のほうが重視されているからだと思っていましたが――

 どうやら――
 そうではないようです。

 では――
 なぜ曲先が増えているのか、というと――

 それは、

 ――旋律を決めるほうが歌詞を決めるよりも自由度が低いから――

 だそうです。

 歌詞は、適当に言葉を継ぎ足したり、擬声語・擬音語などで繋いだりできるけれども――
 旋律は、音階や拍子の選択肢が少ないため、融通をきかせることが難しいといいます。

 つまり――
 自由度の低い旋律を先に定め、あとから自由度の高い歌詞でつじつまを合わせるほうが――
 何かと都合がよい――
 ということなのですね。

 裏を返すと、

 ――自由度の高い歌詞を先に定め、あとから自由度の低い旋律でつじつまを合わせるのは、相当に難しい。

 ということです。

 詞先では、豊富な語彙や言葉選びのセンスが必要だと思っていましたが――
 実際には、高い作曲技術や多彩な音楽的感性が必要だったのですね。

 びっくりしました。