歌詞が――
旋律によって全く違って聴こえるのは――
当然のことですが――
旋律が同じでも――
伴奏が違えば――
やはり全く違って聴こえる、ということが――
あります。
いえ――
実際には、全く違って聴こえるわけはなくて――
歌詞も旋律も同じなのだから――
もちろん、同じ歌として聴こえてくるわけですが――
でも――
聴いたときの印象は、ガラッと変わるのですね。
例えば――
同じ失恋の歌であっても――
十分に抑制の利いた理知的な印象であったものが――
未練を引きずった感情的な印象に様変わりする――
とか――
……
……
しばしば――
歌は――
歌詞が“心”に、旋律が“体”に、伴奏が“服”に――
それぞれ喩えられます。
とりわけ――
旋律の“体”は、
――裸
ともいわれますが――
……
……
実に――
巧みな比喩だと思います。