マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

勝ち続けたことで学べなかった

 勝ち続けたことで――
 学べなかったのでしょうね。

 世界野球プレミア12の決勝トーナメントの準決勝が、昨夜、東京ドームで行われ――
 日本代表チームは韓国代表チームに 3-4 で敗れました。

 9回表まで 3-0 でリードを奪っていながらの逆転負けでした。

 敗因としては――
 監督の経験不足に伴う采配ミス――
 投手編成の偏り――先発投手や抑え投手だけで、救援専門の中継ぎ投手がいなかったこと――
 などが挙げられています。

 が――
 これら弱点を――
 今回の日本代表チームは、きのうの敗戦まで強く意識できていなかったのであろうと思います。

 日本代表チームは、今大会、予選リーグの初戦から決勝トーナメント準々決勝まで勝ちっぱなし――
 一度も負けることがありませんでした。

 これに対し、韓国代表チームは予選リーグで2回ほど負けています。

(この差が出たんじゃないかな)
 と、僕は感じました。

 僕が監修を担当している書籍『失敗が教えてくれること』(竹内薫著、2014年、総合法令出版)の中に、

 ――失敗から学ぶことは多く、成功から学ぶことは少ない。

 という一節があります。

 世界ランク1位の日本代表チームにとって――
 今大会、予選リーグでの勝ち試合は「成功」を意味し、負け試合は「失敗」を意味していたでしょう。

 予選リーグの初戦から決勝トーナメントの準々決勝まで勝ちっぱなしだったということは――
 一度も失敗をしなかったということです。

 それゆえに、多くを学ぶ機会が1回も得られなかった――
 逆に、韓国代表チームには、そういう機会を2回ほど得ていたわけですね。

 韓国代表チームは、その機会をおそらくは十分に活用し、自身の弱点を強く意識し――
 その分、適切な対策がとれていたと考えられます。

 一方――
 日本代表チームは、自身の弱点(監督の経験不足や投手編成の偏り)を強く意識できず――
 適切な対策が、まったくとれていなかった――
 その差が、きのうの試合で如実に出たのだと思います。