――区別がつかない
というのと、
――同じである
というのとが――
たまに混同されるのですよね。
この2つの意味合いは、一見、違わないように感じられますが――
例えば、恋愛の局面で、
――あの人が私に気があるのか気がないのかは、区別がつかない。
というのと、
――あの人が私に気があるのか気がないのかは、同じである。
というのとでは――
まったく意味合いが違います。
前者は、
――結局は他者の気持ちは推し量れない。
といっているにすぎないのに対し――
後者は、
――他者の気持ちなど、どうでもよい。
といっているに等しいのです。
恋愛の局面で、どちらが冷静な分析か、あるいは現実的な主張か――
あらためて指摘するまでもないでしょう。
が――
恋愛のように誰にとっても身近で馴染み深いテーマでないような場合には――
両者は、たまに混同されるのですね。
例えば、国際政治とか社会福祉とか……。