当たり前であることの典型例として、
1 + 1 = 2
を挙げられることが、しばしばありますが――
ときには、
――「1+1=2」も決して当たり前ではない。
と思えるような感覚も大切です。
……
……
なぜ、「『1+1=2』は決して当たり前ではない」といえるのか――
それは、「1+1=2」が成り立つ理由を考えれば、わかります。
では――
なぜ、「1+1=2」が成り立つのか――
それは、「●」の個数を「1」と定め、「●●」の個数を「2」と定めているからです。
もし、「●●」の個数「1」と定め、「●」の個数を「2」と定めたら、「1+1=2」とはなりません。
2 + 2 = 1
です。
……
……
一見、当たり前であることも――
定義が異なれば、まったく当たり前ではなくなります。
いいかえるなら――
何かが当たり前に感じられるということは――
その“何か”が前提としている定義に、過度に慣れ親しんでいることの反映です。
もちろん――
特定の定義に、過度に慣れ親しむことは――
決して悪いことではありませんが――
意識的に慣れ親しむのではなくて――
無意識的に慣れ親しむ――あるいは、盲目的に慣れ親しむ――ということは――
たぶん、危険です。