マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自力で考えられる人

 何か物事について、

 ――自力で考えられる人

 というのは、

 ――考えるとはどういうことかを日頃から考えている人

 です。

 あるいは――
 何か物事について考えるときに、

 ――なぜ、今その物事について考えるのがよいのかを考える習慣のある人

 です。

 考えるとはどういうことかを考えたことがなく――
 なぜ、今その物事について考えるのがよいのかを考える習慣がなく――
 ただ、必要に迫られ、闇雲に考えているだけの人は――
 とうてい「自力で考えられる人」ではありません。

 では――
 考えるとはどういうことか――

 それは、

 ――何らかの知識や仮定を前提として、論理を組み立てていき、やがて何らかの結論を得ること

 です。

 端的にいえば、

 ――結論を得ること

 です。

 つまり――
 何も結論を得ていないのに、「考えた」とは決していえないのです。

 では――
 なぜ、今その物事について考えるのがよいのかを考える習慣とは――
 どういう習慣でしょうか。

 例えば――
 今、会社を辞めるか辞めないかで迷っているとします。

 そのとき――
 なぜ、今その物事について考えるのがよいのかを考える習慣のある人は、

 ――自分は会社を辞めるべきか辞めないべきか。

 を考える前に――
 まず、

 ――なぜ、自分は今、会社を辞めるべきか辞めないべきかを考えるのがよいのか。

 を考えます。

 ――来月ではダメなのか。

 ――来年では遅いのか。

 あるいは、

 ――もう手遅れではないか。

 と――

 自力で考えられる人というのは――
 考えている自分について常に考えようとする人です。