――考えることが必要だ。
とか、
――つねに考える習慣を!
といわれます。
(たしかに、その通り――)
と思うのですが――
では――
具体的に、何をどうすればよいのか――
それが――
なかなかに、わかりづらいのですよね。
……
……
――考える。
とは、
――知識を知恵に変える。
ということです。
つまり――
「考えることが必要だ」とは、
――知識は知恵になって初めて活きる。
ということであり――
「つねに考える習慣を!」とは、
――知識は知恵に変えずに用いるな!
ということなのですね。
では――
「知識を知恵に変える」とは、具体的に、どうすることか――
……
……
知恵とは――
万人に活かされやすいように捏ねまわされ、整えられた知識です。
知識は、それだけで、万人に活かされるのは稀であり――
その意義や価値は容易には理解されませんが――
知恵は、それだけで、万人に活かされるのが常であり――
その意義や価値は容易に理解されます。
では――
知識が捏ねまわされ、整えられるとは、どういうことか――
それは――
とりもなおさず、言葉が置き換えられるということです。
知識は、たいていは、言葉で表されています。
しかも――
その知識を伝えるのに最も都合の良い言葉で表されています。
それら言葉は――
ふつうは、難解で非日常的であり、かつ曖昧で非普遍的です。
そうした言葉を――
平易で日常的で、かつ明瞭で普遍的な言葉に置き換えていく――
それが、
――知識を捏ねまわし、整える。
ということです。
つまり、
――考える。
とは――
究極的には、
――言葉を置き換える。
ということに他になりません。