マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

学校を卒業した人たちに学校教育を施したのでは

 ――いわゆる学歴エリートには知恵がない。

 といわれることがあります。
 つまり、

 ――学校の勉強が得意だった人たちは、広い知識や深い理解はあっても、知恵がない。

 ということです。

 この場合の「知恵」とは何でしょうか。

 おそらく――
 それは、

 ――実体験に基づく知識や理解、および、とっさの直観や直感に基づく判断力

 といった意味でしょう。

 学校にいたのでは、実体験は得られません。
 よって、実体験に基づく知識や理解は得られない――得られるのは書物や議論に基づく知識や理解です。

 また、学校では何事も十分な時間が与えられます。
 よって、とっさの直観や直感が研ぎ澄まされることはない――研ぎ澄まされるのは慎重に吟味した上での判断力です。

 ですから、「いわゆる学歴エリートには知恵がない」というのは、至極当然のことです。

 エリートであろうがエリートでなかろうが、少なくとも学校を卒業したばかりの人には、「知恵」など、あるはずがないのですね。

 このことは、

 ――学校を卒業した人たちに、どういった教育が必要か。

 ということを考える上で大変に重要です。

 学校を卒業した人たちに学校教育を施したのでは、何にもならないからです。