マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

パロディやオマージュの創造性

 パロディやオマージュは――
 基本的には、二次的創作物であり――

 一次的創作物の要素が入り込む余地は、ほとんどありません。

 が――
 優れたパロディやオマージュには、必ず、

 ――何か新しいもの

 が付け足されています。

 いわゆる“元ネタ”を過不足なく再現しただけでは、単なる模倣であって――
 真のパロディやオマージュとは、みなされないのですね。

 場合によっては――
 盗作とみなされることさえ、あります。

 パロディやオマージュを単なる模倣の域から脱却させるのは――
 付け足された“何か新しいもの”が体現する創造性です。

 例えば――
 1980年代の20代男性アイドルがみせた歌や踊りを――

 2010年代の20代男性アイドルがみせたのでは――
 単なる模倣の域を出ません。

 が――
 同じ歌や踊りを――
 長身痩躯の女性アイドルがみせたり――
 10歳くらいの子役タレントがみせたり――
 還暦すぎの老練な舞踏家がみせたり――

 あるいは――
 犬や猫や猿がみせたり――
 人形やアンドロイドがみせたり――

 ……

 ……

 そうすることで――
“何か新しいもの”が確かに付け足されていると明瞭に理解され――

 その結果――
 その二次的創作物が、優れたパロディやオマージュとして、世に広く認知されるようになるのです。

 いいかえれば、

 ――パロディやオマージュの創造性は、その“何か新しいもの”の中身に宿る。

 ということですね。

 一般に――
 パロディやオマージュには、ほとんど創造性が求められていない、と――
 誤解されがちですが――

 その質を保証しているのは――
 やはり、創造性なのです。