いわゆる“おカネ”のことを、
――貨幣
といいますね。
経済用語だそうです。
この貨幣は、通常は、紙幣や硬貨の形で、僕らの身の周りに存在していますが――
しばしば指摘されることに、
――紙幣や硬貨が貨幣なのではない。
というものがあります。
――所有者への信用が国家によって数値化されたものが貨幣である。
と――
まったくもって、その通りと思いますが――
ただ――
僕は、
貨幣 ≒ 信用
の図式には違和感を覚えます。
というのは、
――貨幣は目に見えるが、信用は目に見えない。
からです。
信用は心で感じるものですよね。
逆に――
貨幣は心では感じ難い――
まさに、
――信用は心で感じられるが、貨幣は心で感じられない。
ということができます。
目で見えるものと見えないものと――
心で感じられるものと感じられないものと――
双方を 「≒」 の記号で結びつけるのは――
僕には、ためらわれます。