思いつくことを思いつくままに口にする人がいます。
そういう人は――
たいていは無意識の本音をもらしてしまい、誰かを傷つけたり誰かの反感をかったりするものですから――
周囲の人たちに疎まれたり蔑まれたりしているのですが――
まれに――
そうでない人もいます。
つまり――
思いつくことを思いつくままに口にしているのに――
誰からも疎まれたり蔑まれたりしていない――
という人が、まれにいるのですね。
(どうしたら、そんなふうにできるんだろう?)
と――
これまで、ずいぶん不思議に思ってきたのですが――
きょう、
(ひょっとして……)
と、思いついたことがあります。
それは、
(そもそも無意識の本音それ自体が、誰かを傷つけたり誰かから反感をかったりするような内容ではないのではないか)
ということです。
そういうことなら――
いつでもどこでも安心して無意識の本音をもらせますよね。
が――
問題なのは、
――どうやったら、そんな無意識の本音を形成できるのか。
ということです。
これは難しい――
たぶん、謙虚の心持ちや他者への配慮が前提ですが――
それだけではないでしょう。
徹底的した無私の心――
どこまでも希薄な我欲――
そういったものを併せもたない限り――
誰も傷つけない無意識の本音、あるいは誰からも反感をかわない無意識の本音を形成することは難しいと思います。