マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「逃れがたい死」と「抗いがたい死」と

 中高年に向けられた歌にも――
 青少年に向けられた歌にも、

 ――死

 を意識したものが――
 少なからずあります。

 これら2つの歌で語られる“死”には――
 決定的な違いがあります。

 中高年に語られる“死”は、

 ――逃れがたい死

 つまり――
 人の一生の儚さです。

 これに対し――
 青少年に語られる“死”は、

 ――抗いがたい死

 つまり――
 自死への欲求です。

“死”の性質が全く違うので――
 それら2つの歌が同じ“死”を語っていることに、なかなか気づけません。

 いえ――
 本当は、同じではないのかもしれません。

「逃れがたい死」と「抗いがたい死」とは、同じ「死」であっても、内実は全く異なる概念なのかもしれない――

 中高年に向けて唄われる死の歌と青少年に向けて唄われる死の歌とを聴き比べ――
 そう思います。