慣れぬ異国の地に滞在し――
カフェで夕食をとりながら、ホッと一息をついているときに――
いきなり武装集団が乱入してきて――
目の前で店員や他の客に危害を加え始めても――
たぶん――
すぐには状況を飲み込めないと思います。
(え? なに? どういうこと?)
と――
大学院生であった頃――
海外の学会に出席するために、慣れぬ異国の地に滞在し――
つかのまの夕食をとる機会が何回かありました。
そうしたときのことを思い返しながら、状況を想像すると――
(痛ましい)
の一言に尽きます。
……
……
何の話か――
日本時間のきのう――
日本人客7名を含む20名が武装集団によって殺害されたと報じられています。
現場近くに居合わせた人の話では、
「私は日本人だ。どうか撃たないでくれ」
と英語で叫んだ人がいたとか――
胸に突き刺さります。
こういうニュースに触れたときには――
やはり、自分が日本人であることを強く意識しますね。
同じ立場にいたら、自分も同じように叫ぶのかもしれない、と――
ふと思いました。
が――
すぐに、
(いや……)
と思い直しました。
(僕なら、たぶん、すぐには状況を飲み込めないだろう)
と――
ひょっとすると――
状況を飲み込む前に殺害されているかもしれません。
……
……
こんなことは――
考えたくもないのですが――
考えなくてはならない時代に――
差しかかってきたのでしょうか。