マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

答えは「隠さずに説明せよ」

 この国のPCR(polymerase chain reaction)検査の問題は――

 少なくとも、

 ――不安感情の問題

 ――体制不備の問題

 ――検証不能の問題

 の3つが複雑に絡み合ってできている――

 ということを――

 きのうまでの『道草日記』で述べました。

 

 さらに、もう1つ付け加えるなら、

 ――広報不足の問題

 が挙げられます。

 

 PCR検査では「もしも感染してたら……!」の不安は解消できないということ――

 PCR検査は、この国の今の医療体制では、増やしたくても増やせないということ――

 PCR検査を増やす必要性が本当にあるのか、検証をする余裕がないということ――

 

 これらのことが、社会に広く、わかりやすく説明されなかったために――

 いわゆるPCR検査の問題は、こじれにこじれました。

 

 もっとも、

 ――社会に広く、わかりやすく説明されなかった。

 ということについては――

 どうやら確信犯であったようです。

 

 これまでに日本国政府が発してきた声明などをみていると――

 社会に広く、わかりやすく説明するということは、最初から放棄されていたように感じます。

 

 その大義名分は、

 ――パニックを防ぐ。

 ということでしょう。

 

 とりわけ、

 ――体制不備の問題

 については――

 これをあからさまに説明してしまうと、国民が大混乱しかねない――あるいは、政府として喫緊の対応が迫られている最中に政権転覆運動が始まりかねない――

 ということが危惧されたのだと思います。

 

 さらにいえば――

 そのような危惧を抱えて広報にあたる専門職ないしは専門部局が、日本国政府には設置されていませんでした。

 

 災害や戦争、疫病などの危機的な状況において、いわゆる広報を社会の平穏を崩さないようにするには、特別な技量が必要です。

 そのような技量を十分に備えた専門家らで構成される部局が、日本国政府には存在していませんでした。

 

 この、

 ――広報不足の問題

 は、広い意味では、

 ――体制不備の問題

 ともいえます。

 

 この点においても――

 問題は、やはり複雑に絡み合っているのです。

 

 そして――

 この点においても――

 答えが、

 ――PCR検査を増やせ。

 でないことは確かです。

 

 ――隠さずに説明せよ。

 です。