世の中には――
自分が知らなくてよい現実などは、たぶん一つもないと思いますが――
知ってしまったら、途端、不安に苛まれ、耐えられなくなる――
というような現実は――
たぶん、いくらでもあることでしょう。
現実をどこまで知るのがよいのか、という問題は――
不安にどこまで耐えられるのか、という問題と――
ほぼ同等です。
では――
不安に耐えるには、どうしたらよいでしょうか。
……
……
答えは簡単で――
自分の不安を、自分が耐えられる程度に緩和することです。
そのためには――
世の中の情報をできるだけ多く集める――
そして、何が確定要素で、何が不確定要素かを確実に判断する――
一般に――
不安とは、世の中の不確定要素が、人にもたらす感情です。
不確定要素が大きければ大きいほどに、人は不安を強く感じます。
が――
不安を最も強く感じるのは――
確定要素と不確定要素との判別ができないときです。
世の中の厳しい現実にきちんと向き合える人は――
この判別を着実に行うことで、不安の強さを最小限に抑えているのです。