人間をリアルに理解する、とは――
簡単にいえば、
――人間は、理性だけでなく、感情でも動くということを熟知する。
ということです。
人間が理性だけで動くのなら――
人間の行動は、常に合理的で、予測可能であるはずです。
が――
実際には、人間は理性だけでは動かず、感情でも動く――
よって、人間の行動は、しばしば不合理的で、予測不可能なのです。
こうした人間の不合理性や予測不可能性を失念せずに、これら性質が攪乱因子となりうることを十分に意識しながら――
自分の周囲の状況を見極め、読み解き――
その上で、自分の身の振り方を考え、決めていく――
それが――
人間をリアルに理解している人の生き方です。
人間をリアルに理解していない人は――
人間の不合理性や予測不可能性に、いつか必ず足下をすくわれます。
功成り名を遂げた人が、ある時、不意に、
――なぜ?
と訝りながら再起不能の失敗に陥っていく例の多くは――
人間の不合理性や予測不可能性に足下をすくわれた例です。
それは――
自分の周囲の人々の不合理性や予測不可能性とは限りません。
自分自身の不合理性や予測不可能性であることも多々あります。