マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人間をリアルに理解する

 人間をリアルに理解する、とは――
 簡単にいえば、

 ――人間は、理性だけでなく、感情でも動くということを熟知する。

 ということです。

 人間が理性だけで動くのなら――
 人間の行動は、常に合理的で、予測可能であるはずです。

 が――
 実際には、人間は理性だけでは動かず、感情でも動く――

 よって、人間の行動は、しばしば不合理的で、予測不可能なのです。

 こうした人間の不合理性や予測不可能性を失念せずに、これら性質が攪乱因子となりうることを十分に意識しながら――
 自分の周囲の状況を見極め、読み解き――
 その上で、自分の身の振り方を考え、決めていく――

 それが――
 人間をリアルに理解している人の生き方です。

 人間をリアルに理解していない人は――
 人間の不合理性や予測不可能性に、いつか必ず足下をすくわれます。

 功成り名を遂げた人が、ある時、不意に、

 ――なぜ?

 と訝りながら再起不能の失敗に陥っていく例の多くは――
 人間の不合理性や予測不可能性に足下をすくわれた例です。

 それは――
 自分の周囲の人々の不合理性や予測不可能性とは限りません。

 自分自身の不合理性や予測不可能性であることも多々あります。