――真の悪者(わるもの)は自分が正義と思っている。
という考え方があります。
かなり説得力のある考え方で――
僕自身も、つい最近まで、
(たぶん、そうだろう)
と思っていました。
が――
きょうになって、
(どうも違うのではないか)
と思い始めました。
悪者の条件が、
――あきらかに悪事を働いているのに、正義は自分にあると思っている。
であるとすると――
その「悪者」は――
世の中のほとんどの人々が「悪」とみなすことを「正義」とみなしてしまっている――
ということになります。
これは、認識能力の問題としては、かなり深刻です。
運動能力の問題になぞらえれば――
例えば、「立てない」や「歩けない」、「食べられない」、「喋れない」などに匹敵しえます。
そんな重いハンディキャップを負っているのに――
安易に「悪者」のレッテルを貼ってしまって、よいものでしょうか。
……
……
悪者の条件は、
――何が悪事か十分にわかっていながら、それでも悪事を働いている。
であろうと思います。
これなら――
少なくとも、「悪者」のレッテルを貼ることに躊躇はしません。