マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

それ、たぶん口説かれていた

 30歳前後の男性が――
 親しくしているらしい女性から、
「私、もう誰とも付き合えないと思う。でも、何とか頑張って付き合える人を探していきたいんだよね。どうしたらいいと思う?」
 と相談を持ちかけられて、

 ――いや~、女性というのは、どうして、そんなにも付き合いたがるのだろうか。

 と首をひねっている――
 という話をききました。

 ……

 ……

 その男性は、なかなかの高給とりで――
 よほどのことがない限り、終生、安定した生活が送れそうな経歴の持ち主です。

 ……

 ……

 なので――
 僕は思ったのですよ。

(それ、たぶん口説かれていたんですよ)
 と――

 結婚適齢期の女性の中には、時々いらっしゃるようなのです――そんなふうに、かなりの遠回りをしなければ、恋や愛の告白ができない、という人が――

 そのような女性の多くは、理知的で、教養があって――
 女性としての魅力にも、それなりの自信をもっているのだけれど――
 すなおに自分の気持ちを伝えたり、しぜんと仲良く振る舞ったりすることが苦手です。

 だからこそ――
 言葉を尽くした遠回りの告白ができてしまう――というか、つい遠回りの告白になってしまう――

 その“首をひねっている男性”に――
 僕は、心の中で、
(ぜひ前向きに考えてあげて下さい)
 と呟きました(笑

 そして、
(できれば、それ以上は他言無用にしておいてあげて下さいね)
 とも――その女性が傷つかないとも限りませんので――
 きっと、

 ――あら、やだ、バレちゃった? 恥ずかしい!

 と笑い飛ばせるようなキャラクターではないでしょうから――