政治への関心の持ち方には、少なくとも2つあるといえるでしょう。
有権者としての関心の持ち方と政治家としての関心の持ち方との2つです。
政治とは、社会の利害調整です。
社会の利益をどのように分配するか――
社会の損害をどのように分散するか――
それを決めていくのが政治です。
その際、
1) 利益の分配や損害の分散が、どのようにして決められていくのか
に関心を持つことと、
2) 自分なら、利益の分配や損害の分散をどのように決めていくのか
に関心を持つこととは――
まったく意味合いが異なります。
1) は有権者の発想であり――
2) は政治家の発想です。
この2つの発想を混同すると――
ときに厄介な口論を引き起こします。
――もっと政治に関心を持とうよ!
という主張を、1) の意味合いで述べているのに――
2) の意味合いで受けとられたら――
まとまる話もまとまりません。
「え~? そんなの、イヤだよ~」
「何、情けないことをいっている!」
「そっちこそ、熱くなりすぎだろ~」
「お前が無責任すぎるんだよ!」
……
……
政治への関心の持ち方が1つでないことには――
十分に注意を払うのがよいでしょう。