マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

政治家は聖職

 政治の本質は社会の利害調整にあるといえます。

 社会全体の利益をどのように分配し――
 社会全体の損害をどのように分散するか――

 そうした諸課題の一つひとつに解決案を示していくのが――
 政治家の務めです。

 よって――
 政治家は、

 ――無私

 を愚直に貫くことが求められます。

 社会の利害調整に臨むには――
 自分だけが――
 あるいは、自分たちだけが――
 不当に利益を得ようとしたり、不当に損害を避けようとしたりしないでほしい――
 との有権者からの要請です。

 とはいえ――
 現実には――
 政治家が無私を貫くのは、容易ではありません。

 自分自身や自分たち自身が――
 得ようと思えば得られた利益をみすみす見逃し、避けようと思えば避けられた損害をみすみす被る――

 そうした諦念を抱き、あるいは、覚悟を決めるには――
 人として、やや不自然な達観を要します。

 にもかかわらず――
 このような達観を胸に秘めていなければ――
 政治家は、いつか必ず不正のそしりを受けるのです。

 この一点からみて――
 政治家が聖職であることは紛れもない事実でしょう。

 この聖職性に生真面目に向き合おうとする政治家は――
 貴重です。

 そして――
 この聖職性を明確に認識している有権者も――
 同じくらいに貴重です。