真の宝物は自分の心の中でしか輝きません。
決して自分の身の周りで光り輝くことはありません。
大富豪が数多の宝物を蒐集し――
それら宝物を自分の身の周りに、いくら華麗に、いくら荘厳に飾り付けたところで――
それら宝物が本当の意味で光り輝くことはありません。
自分の身の周りに飾り付けるという行為それ自体が――
それら宝物の輝きを失わせるのです。
自分が、それらを独占してしまうから――
それら宝物を、自分の我欲の色に染め上げてしまうから――
宝物は、決して自分の手の内には収められないことがわかりきっているからこそ――
光り輝いてみえるのです。
手に入れてしまえば――
ただの物品と何ら変わりはありません。