怒りを顕わにすることで、得をするというのは――
基本的には、そんなにないと思うのですよね。
むしろ、損をすることが多い――
にもかかわらず――
怒りを顕わにする人がいる――
なぜなんでしょうね。
……
……
ひとつの考え方としては――
損得勘定を越えて怒りを顕わにしている――
――私は怒りたいのだ! 損得は関係ないのだ!
ということですね。
もうひとつの考え方としては――
ごく稀に得をすることがあるから――
つまり――
怒りを顕わにすることで、たいていは損をするわけだけれども――
ごく稀に、その怒りに怖気づいてしまった人が、自分の思い通りに動いてくれた――
だから、とりあえず、怒りを顕わにしてみることにした――
そういうことです。
もし、仮に、
――10回のうちの1回で得をすれば、もうけもの――
と考えるのなら――
たしかに、怒りを顕わにする人の考えも、少しはわかる気がします。
あくまで、「少しはわかる……」ですけれど――