マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

精神医学の弱み

 心理学の強みは――

 そのまま精神医学の弱みとなる。

 

 ――精神の意義

 に正面から向き合いやすい、というのが――

 心理学の強みである一方――

 

 ともすれば、

 ――精神の意義

 に正面から向き合いにくい――

 というのが――

 精神医学の弱みである。

 

 ……

 

 ……

 

 精神医学では、

 ――自然に起こっている異常

 を通して、

 ――正常

 に思いを馳せる。

 

 ということは――

 

 ――正常

 のうち――

 異常を起こしやすい部分には、しばしば注意が向けられるが――

 

 異常を起こしにくい部分には、なかなか注意が向けられない――

 ということだ。

 

 ――正常

 も、様々な部分から成るはずである。

 

 それら、

 ――正常

 の部分のうち――

 異常を起こしやすい部分ほど、

 ――精神の意義

 に深く関わっている――

 という保証はない。

 

 むしろ――

 異常を起こしにくい部分ほど、

 ――精神の意義

 に深く関わっているかもしれぬ。

 

 そうであれば――

 

 精神医学では、

 ――精神の意義

 には容易には迫れぬ――

 ということになる。

 

 精神医学に勤しむ者は――

 肝に銘じておく必要があろう。

 

 『随に――』