身体には――
エントロピーを掃き出す機能がある――
といえる。
が――
この「掃き出す」という表記は――
精確ではない。
精確には、
――増えにくくする。
である。
――溜まりにくくする。
でも悪くはない。
自然界では――
例えば――
自然界のある部分において――
その部分に何か新たなエネルギーが流入をしない限り――
そのエントロピーは永遠に増え続ける。
何か新たなエネルギーが持続的に流入をしていて――
そのエネルギーが帯びている熱力学・統計力学のエントロピーが十分に少ない場合は――
その部分における熱力学・統計力学のエントロピーは増えにくくなる。
そのような機序が、自然界のある部分において、少なくとも見かけ上、作動をしていて、しかも、その部分に在る物質が何らかの構造を成している時――
その部分を、
――散逸構造(dissipative structure)
と呼ぶ。
――散逸
というのは――
その部分から周辺に向かって、熱力学・統計力学のエントロピーを多く帯びているエネルギーが撒き散らされていると、みなせることに依る。
――構造
というのは――
その部分に在る物質が何らかの構造を成す結果として、熱力学・統計力学のエントロピーが増えにくくなっていると、みなせることに依る。
これと同じような現象が――
情報理論・通信理論のエントロピーについても起こっているのではないか。
もちろん――
その現象が起こっている部分――自然界のある部分――というのは、
――身体
である。
『随に――』