マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

精神生活の起源(7)

 脳の中の約 1,000 億個の神経細胞の活動や――

 それぞれの神経細胞が持つ数百から数千の接合部――シナプス(synapse)――の状態について――

 全てを精確に記録に残し、全てを精確に制御下に置ければ――

 

 ――精神生活

 に、

 ――再現性

 を与えることができよう。

 

 というのは――

 

 誰かが、ある、

 ――精神生活

 を送っている時に――

 その“誰か”で起こっている、

 ――脳の生理現象

 を精確に記録に残すことによって――

 後刻、その記録に基づき――

 その“誰か”で起こる、

 ――脳の生理現象

 を精確に制御下に置けば、

 その“誰か”は、再び同一の、

 ――精神生活

 を送ることになるはずだからだ。

 

 つまり――

 任意の者の、

 ――精神生活

 は――

 その者の、

 ――脳の生理現象

 を、任意の後刻で、精確に蘇らせられるのであれば――

 再現は可能である。

 

 ところが――

 

 ここで一つの疑念が生じる。

 

 ――脳の生理現象

 を精確に蘇らせることができさえすれば――

 本当に、

 ――精神生活

 を蘇らせることができるのか。

 

 ……

 

 ……

 

 実は――

 

 そうとは、いえぬ。

 

 ……

 

 ……

 

 『随に――』