マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

精神生活の起源(5)

 実際に過去に体験をしていた精神生活に対応をする情報に一致をしている情報か、あるいは、その情報に酷似をしている情報を調えるには――

 いったい、どうすればよいのか。

 

 発想としては難しくない。

 

 その精神生活について――

 実際に体験をしている時の、

 ――脳の生理現象

 の記録を精確に残し――

 その記録に基づいて、

 ――脳の生理現象

 の再現を試みる――

 という発想である。

 

 が――

 

 この発想の実行は――

 非常に困難である。

 

 そもそも――

 ある精神生活について――

 実際に体験をしている時の、

 ――脳の生理現象

 の記録を精確に残すこと自体が、困難である。

 

 おそらく――

 最低でも――

 脳の中の全ての神経細胞の一つひとつの活動を精確な記録に残す必要がある。

 

 実際には―― 

 それでも十分ではなくて――

 脳の中の全ての神経細胞の接合部――シナプス(synapse)――の状態まで正確な記録に残す必要があるかもしれぬ。

 

 脳の中の神経細胞は、約 1,000 億個と考えられている。

 

 それらの神経細胞は、それぞれ数百から数千の神経細胞と接合部を持っていると考えられている。

 

 これら神経細胞の活動の記録や、それら神経細胞の接合部の状態の一つひとつの記録は、情報としては、あまりにも膨大であり――

 21世紀序盤の現代の科学技術では処理をしきれぬ。

 

 『随に――』