マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「科学の果て」と錯覚をされ得るのは――

 ――科学の淀み

 に嵌(はま)っていると――

 

 ――科学の果て

 が、

 ――宇宙の果て

 かのように感じられる。

 

 ……

 

 ……

 

 ――宇宙の果て

 には――

 現代宇宙論に依れば――

 少なくとも2つある。

 

 1つは、

 ――“この宇宙”の果て

 であり――

 

 もう1つは、

 ――“観測可能な宇宙”の果て

 である。

 

 ――この宇宙

 とは――

 ――宇宙のインフレーション(cosmic inflation)

 や、

 ――ビッグバン(Big Bang)

 によって齎(もたら)され、今も加速的に膨張をしているであろう宇宙――

 を指し――

 

 ――観測可能な宇宙

 とは――

 ――この宇宙

 のうち、光に依る観測が地球から可能な範囲の宇宙――

 を指す。

 

 ――“この宇宙”の果て

 は――

 それが仮に人に認知をされ得る存在だとしたら、

 ――観測可能な宇宙

 の遥か外に在る。

 

 人知など――

 到底、及ばぬ。

 

 これに対し――

 

 ――“観測可能な宇宙”の果て

 は――

 地球に届くビッグバン直後の光が発せられたところに在る――

 と考えられる。

 

 その距離は、

 ――地球から 460 億光年ほど離れたところ

 と見積もられている。

 

 ――この宇宙

 が、約 138 億年前に発生をしていることから、

 ――“観測可能な宇宙”の果て

 は、

 ――地球から 138 億光年ほど離れたところ

 に在ると思いがちだが――

 

 実際には――

 その“果て”は、ビッグバン以後も、光の速さと同じか、それ以上の速さで、地球から遠ざかり続けていることから――

 約 138 億光年の数倍の距離のところに在る――

 と考えられている。

 

 ……

 

 ……

 

 ――科学の淀み

 に嵌っている時に、

 ――科学の果て

 と錯覚をされ得るのは――

 

 ――“この宇宙”の果て

 ではなく――

 

 ――“観測可能な宇宙”の果て

 である。

 

 『随に――』