――細胞
とは、
――袋の構造をもち、その内外を特定の物質が移り変わりながら流れ続けているもの
である、と――
きのうの『道草日記』で述べました。
きょうは、
――ウイルス
について述べます。
……
……
――ウイルス、
は、
――細胞
との相違点や共通点に目をつけて理解をするとよいでしょう。
まずは相違点から――
……
……
大きさが違います。
細胞は、1~100μm(マイクロメートル)くらいで――
ウイルスは、0.01~1μmくらいです。
ウイルスは細胞の100~1000分の1くらいの大きさです。
次に共通点です。
ウイルスも袋の構造をとりえます。
また――
どちらも、遺伝情報を担う物質を内蔵しています。
具体的には、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)またはリボ核酸(ribonucleic acid)という分子です。
それぞれ、
――DNA(deoxyribonucleic acid)
――RNA(ribonucleic acid)
というように、アルファベットの頭文字で呼び習わされています。
では――
ウイルスは、たんに細胞を100~1000分の1に縮めたものなのか、というと――
そうではありません。
ここで再び相違点です。
細胞では、袋の内外を特定の物質が移り変わりながら流れ続けていると述べました。
この移ろいの流れが――
ウイルスにはないのです。
つまり――
ウイルスは、「生きている」という状態を、通常はとりません。
が――
遺伝情報は内蔵しています。
ここがウイルスの実に興味深いところでして――
ウイルスは――
「細胞」という袋の中に入り込み、細胞が起こしている移ろいの流れに組み込まれることで――
細胞と同じように、子孫を残すことができるのです。
細胞に自分の遺伝情報を伝え、細胞に自分の子孫を残させるのですね。
以上のことから――
ウイルスは、
――生きている
とはいえないが、
――「生きている」という状態へ移行しうる物質である
とはいえます。
このことを念頭に置いて、
――ウイルスは、生命ではないが、生命体ではある。
という人もいます。
(いいえて妙である)
と――
僕は思います。