マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ウイルス感染の起源

 多くの科学者たちは、

 ――A1:細胞が、細胞であり続けるのに必要な最小限の遺伝情報を捨て去ることで、ウイルスへ進化を遂げた。

 か、

 ――A2:細胞の体の一部が、細胞の遺伝情報の一部を伴って体から飛び出すことで、ウイルスへ進化を遂げた。

 かのどちらかと考えていて、

 ――B:ウイルスのうち、1つだけ細胞へ進化を遂げたものがあり、他は全てウイルスへ進化を遂げた。

 と考えている科学者は、そんなに多くはない――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 これをやや厳密にいい直すと――

 以下の通りとなります。

 

     *

 多くの科学者たちは、

 ――A1:“細胞とウイルスとの共通祖先”が、“細胞とウイルスとの共通祖先”であり続けるのに必要な最小限の遺伝情報を捨て去ることで、“ウイルスの祖先”へ進化を遂げた。

 か、

 ――A2:“細胞とウイルスとの共通祖先”の体の一部が、“細胞とウイルスとの共通祖先”の遺伝情報の一部を伴って体から飛び出すことで、“ウイルスの祖先”へ進化を遂げた。

 かのどちらかと考えていて、

 ――B:“細胞とウイルスとの共通祖先”のうち、1つだけ“細胞の祖先”へ進化を遂げたものがあり、他は全て“ウイルスの祖先”へ進化を遂げた。

 と考えている科学者は、そんなに多くはない――

 

     *

 

 さて――

 

 これら3つの考え方について――

 僕が、

 (いちばん、ありそう――)

 と思うのは「A2」――すなわち、

 ――“細胞とウイルスとの共通祖先”の体の一部が、“細胞とウイルスとの共通祖先”の遺伝情報の一部を伴って体から飛び出すことで、“ウイルスの祖先”へ進化を遂げた。

 という考え方です。

 

 これをあえて噛み砕いていうならば、

 ――“ウイルスの祖先”は“細胞とウイルスとの共通祖先”の体の一部であった。

 となります。

 

 この考え方に基づくと、

 ――ウイルスの細胞への感染

 つまり、

 ――ウイルス感染

 は、

 ――細胞内の生理現象の1つ

 が起源である――

 ということになります。

 

 また、

 ――細菌の個体への感染

 つまり、

 ――細菌感染

 が、

 ――ウイルス感染

 と異なる点も明白です。

 

 ――個体

 は、

 ――細胞の集合体

 です。

 また、

 ――細菌

 は、

 ――細胞

 の一種です。

 

 よって、

 ――細菌感染

 は、

 ――“細胞の集合体”へ細胞が入り込むこと

 です。

 

 一方、

 ――ウイルス感染

 は――

 「A2」の考え方――すなわち、

 ――“細胞とウイルスとの共通祖先”の体の一部が、“細胞とウイルスとの共通祖先”の遺伝情報の一部を伴って体から飛び出すことで、“ウイルスの祖先”へ進化を遂げた。

 という考え方のもとでは、

 ――細胞へ“細胞の体の一部”が入り込むこと

 といえます。

 

 よって――

 この考え方のもとでは、

 ――ウイルス感染

 の起源は、

 ――細胞内の生理現象の1つ

 であり、

 ――細菌感染

 の起源は、

 ――細胞外の生態現象の1つ

 である――

 と、みなせることになります。