マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

感染をしないウイルスに病原性はあるか

 ウイルス感染と細菌感染との違いは、

 ――「個体」という名の“細胞の集合体”

 へ入り込むのが、

 ――「ウイルス」という名の“細胞の体の一部”に入り込まれた細胞

 か、

 ――「細菌」という名の細胞

 かの違いである――

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ここで注意をするべきは――

 ウイルス感染に限っていうと、

 ――「個体」という名の“細胞の集合体”

 に悪影響を及ぼしうるのは、

 ――「ウイルス」という名の“細胞の体の一部”に入り込まれた細胞

 であって、

 ――「ウイルス」という名の“細胞の体の一部”それ自体

 ではない――

 ということです。

 

 生物学的な常識に基づいて述べれば、

 ――ウイルスは、個体を構成する細胞に感染をすることで初めて病原性を発揮するのであって、たんに個体に侵入をするだけでは、病原性を発揮しない。

 となります。

 

 今年の3月16日の『道草日記』で述べたように、

 ――感染症の直接の原因は、病原体ではなく、個体の免疫の異常である。

 といえます。

 つまり、

 ――ウイルスは、たんに個体に侵入をすることでは、免疫の異常を起こすことはなく、個体を構成する細胞に感染をすることで初めて、免疫の異常を起こす。

 ということです。

 

 このことは、予防接種でおなじみの不活化ワクチンが、通常、個体の免疫の異常を起こさないことに、よく合致します。

 

 ――不活化ワクチン

 とは、病原体を不活化させ、細胞に感染をしないようにしたものです。

 

 ウイルスについていえば、

 ――不活化ワクチン

 は、

 ――細胞に感染をしないウイルス

 と同義といってよいでしょう。

 

 細胞に感染をしないウイルスは、個体にとって、何ら脅威ではありません。

 免疫の働きによって、速やかに取り除かれてしまうからです。

 

 仮に、速やかに取り除かれなかったとしても――

 個体を構成する細胞に感染をしないようなウイルスは、個体に対し、何ら悪影響は及ぼしえないでしょう。

 

 もちろん――

 自然科学の思想に忠実な態度で臨むならば、

 ――本当に「何ら悪影響を及ぼしえない」といえるかどうかについては、実験による検証を経なければならない。

 というべきですが――

 

 今の僕に、すぐの実験は無理なので――(笑

 

 (まあ、たぶん、そうに違いないでしょう)

 とみなした上で――

 話を先に進めるしかありません。

 

 いずれにせよ――

 

 ウイルス感染と細菌感染との違いは、

 ――「個体」という名の“細胞の集合体”

 へ入り込むのが、

 ――「ウイルス」という名の“細胞の体の一部”に入り込まれた細胞

 か、

 ――「細菌」という名の細胞

 かの違いである――

 という主張は――

 ――「ウイルス」という名の“細胞の体の一部”それ自体

 には病原性がない――

 という想定が前提になっています。