時の流れは速い。
父が亡くなり――
今年が七回忌にあたる。
命日は11月なので、法事自体は、だいぶ先の話だが――
準備はしておかなくてはならない。
今日、お寺さんの御都合を伺った上で、七回忌の法要を、父の命日に営んで頂くように、お願をした。
*
よく、
――10年後の自分は想像できない。
などというが――
たしかに、10年前の自分は今の自分を全く想像していなかった。
そもそも、父が亡くなっていようとは、夢にも思っていなかったし――
昨日の『道草日記』で触れた釈迦の教えのようなものに、強く惹かれているとも、思っていなかった。
父自身は、宗教とは距離をとっていたように思う。
歴史や文化の面からアプローチすることはあったようだが、宗教に直に触れることは、ほとんどなかった。
僕も、基本的には父と同じだった。
(宗教なんて、つまんねえよ)
と思っていた。
(真面目に相手にするもんじゃねえよ)
とも思っていた。
そうした僕のスタンスを――
父の死は劇的に変えた。
宗教の捉え方だけではなく――
自分の生き方までも、大きく変えてしまった。
自分の死が息子にもたらす影響を――
父は、どれほどだと見積もっていたことであろう。
過小評価していたように思えてならない。
母方の祖母は、僕の今の生き方を知って、深く嘆息をした。
――お父さんの死が、ものスゴく影響してると思う。
と――
良い意味でも、悪い意味でもなく――
シンプルに、そう思うようである。
祖母の言葉をきいたとき――
僕は、
「そう思います」
と、言下に肯定した。