政治家が収賄などの疑惑をかけられているときに――
決まって世間で取り沙汰される故事成語に、
――李下に冠を正さず。
があります。
意味は、
――誤解を招くような行動はすべできはない。
という戒めです。
この言葉を――
僕は小学生くらいのときに知りました。
中国史の子ども向け入門書か何かを読んで知った言葉です。
……
……
たぶん――
これは、僕だけではないと思うのですが――
小学生の頃というのは――
見聞きしたことは、そのままストレートに覚えてしまいがちです。
この「李下に冠を正さず」についても――
例えば――
「李下」とは何のことかとか、戒めなのに「正さず」とはどういうことかとか――
いろいろと腑に落ちないことがあっても、
(ま、いいか)
で、一気に覚えてしまうのですね。
……
……
きのう、
(そういえば、「李下」って何なんだろう? なんで「正す」じゃないんだろう?)
と思い立ち――
ちょっと調べてみました。
そうしたら――
……
……
「李下」の「李」とは、スモモのことです。
「李下に冠を正さず」とは――
一次的には、次のような意味になります。
――スモモの木の下で冠をかぶり直すことはしない。
理由は――
わざわざスモモの木の下で頭に手をやることで、スモモを盗もうとしているかのような疑惑を受ける可能性が出てくるからですね。
……
……
「李」がスモモのことだと知り、
(しまったぁ!)
と思いました。
この字は――
中国人や朝鮮人の姓として、あまりにも有名です。
なので――
その意味を調べたことは――
きのうまで、ありませんでした。
……
……
調べておくべきでした。
何ごとも――
基本を疎かにしてはいけませんね。