マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「きょうまで何年」は「きょうから何年」へ

 40歳くらいまでは、

 ――自分は、きょうまで何年、生きてきたか。

 に注意が向くのに対し――
 40歳くらいからは、

 ――自分は、きょうから何年、生きていくか。

 に注意が向く――
 という話を聞いたことがあります。

 40歳くらいまでは、「きょうまで何年」に注意が向くので――
 例えば、

 ――俺もオジさんになったな~。

 といった愚痴が出るのに対し――
 40歳くらいからは、「きょうから何年」に注意が向くので――
 例えば、

 ――まだまだ、人生これからだ!

 といった意気込みが出る――
 そういう話です。

 よって――
 35歳くらいで「俺もオジさんに……」と嘆いている人を、「まだまだ……!」と奮い立っている45歳くらいの人がみて、

 ――まだ若いのに、何をいってるんだ?

 と嘲ってしまう――
 ということが起こりえます。

 そんな「45歳」が――
 10年前には、どんなふうであったかについては――

 フェアな検証が必要でしょう。

 ……

 ……

 いずれにせよ――

 人は――
 生から起算して人生を考えるよりも――
 死から逆算して人生を考えるほうが――
 ずっと前向きに生きられるものです。

 そのことを――
 本当の意味で理解するのに――

 人は、どういうわけか――
 40年くらいかかるようなのですね。

 いわゆる「不惑」の40年です。

 この「40年」は、

 ――人間、五十年

 といわれていた時代には――
 とてつもなく重い数字であったと思いますが――

 平均寿命80年の今の時代には――
 けっこう、ありがたい数字ではないでしょうか。