マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人工知能と人間と、どちらが高度か

 いわゆる人工知能は、人間が投げかける問いに答えは出しますが――
 その答えになぜなるのかの理由については、何の説明もしません。

 答えの理由は――
 人間が自分で考え、見出さなくてはならないのです。

 人工知能は答えしか出さないということを――
 僕ら人間は、どのように受け止めたらよいのでしょうか。

 答えを出すことしかできない人工知能は――
 依然、未発達で不完全な知能であると考えてよいのでしょうか。

 それとも――

 答えの理由などを知りたがる人間のほうが、むしろ未発達で不完全な知能であって――
 理由を求めない人工知能は、基本的には、人間よりも高機能で高効率の知能であると考えるのがよいのでしょうか。

 どちらの考えにも一定の説得力を感じるのですが――

 僕も人間ですから――

 やはり――
 人工知能が人間よりも高度に発達していて、より完全に近い知性を具現していると考えるのは、愉快なことではありません。

 愉快でないばかりか、戦慄さえ覚えます。

 答えしか求めない人工知能が、答えの理由も知りたがる人間たちをしり目に、人間たちの預かり知らぬところで、未知の答えを出し続けていく――

 そんな未来社会は――
 ホラーストーリーの題材に十分になりうるでしょう。

 そのストーリーが杞憂に終わるには――
 答えだけでなく、答えの理由も説明をしうる人間のような人工知能が開発され――
 その人工知能が、答えしか出せない今日の人工知能よりも、はるかに高機能で高効率であることが示されなければなりません。

 そんな日が来ることを――
 人間の一人として――
 ただ願うばかりです。