――過ちては改むるに憚(はばか)ることなかれ。
という言葉が――
僕は好きです。
孔子の『論語』にある一節です。
意味は、
――ひとたび過ちに気づいたなら、それを改めることに躊躇してはならない。
といったところでしょうか。
……
……
人は誰でも過ちを犯します。
過ちに気づき、それを直ちに改めたら、「節操のない奴だ」と嘲りを受けるかもしれないが――
それでも直ちに改めるのがよい――
そのような真意があるように感じます。
人の心の弱さを十分に汲みとった警句といえましょう。
過ちを犯すのも――
嘲りを恐れるのも――
ともに人の心の弱さです。
弱い人の心に温かく寄りそっているという意味で――
この警句は人の心にスムーズに入っていきます。
とりわけ――
常に誠実であろう、過ちは一つでも多く防いでいこう、と――
願う人の心に、入っていきます。