――修羅の道
というと――
何だかカッコいい響きがありますが――
その真意は――
かなりカッコわるいといえるでしょう。
……
……
この言葉――
たいていは、仏教でいう六道の一つ、
――修羅道
を指します。
仏教では――
命ある者は六つの世界をさまよいつづけると考えるそうで――
それら世界のうちの一つが修羅道です。
怒りや争いの耐えない世界です。
ここから転じ――
怒りや争いに親しむ生き方を「修羅の道」ということが少なくありません。
よって、
――あの人は修羅の道をいっているね。
といえば――
それは、
――あの人は、いつも怒ったり争ったりしているね。
という意味です。
……
……
修辞としては、
――修羅の道
は、とても優れているのですが――
優れた修辞は――
ときに罪つくりです。