マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「治水工事」ではなく「灌漑工事」

 きのう深夜、九州地方の大雨や水害のニュースをテレビでみていて――
 言葉を失いました。

 僕が住む東北地方でも、多少の雨は降りましたが――
 身の危険を感じるほどでは、とうていなく――
 被害地域の惨状は、想像することさえできませんでした。

 そのニュースをみたのは、きのうの『道草日記』を書いたあとです。

 きのうの『道草日記』で――
 僕は、

 ――起業は治水工事のようだ。

 といったことを述べましたが――
 大雨や水害のニュースをみたあとで、

    「治水工事」

 ではなく、

    「灌漑工事」

 が適切であったと感じました。

 ――治水

 とは――
 通常は河川の水害を防ぐことです。

 河川の水の流れを経済のカネの流れに喩える場合には――

「水害」が「大もうけ」を意味することとなり――
「治水」は「大もうけ」の回避を意味することとなります。

 意味として不正確であり――
 おそらくは、不謹慎でもあります。

 ――灌漑

 であれば――
 これは農地を潤すことですから――

 起業の比喩は十分に成り立ちうるでしょう。

 意味として、まずまず正確であり――
 おそらくは、そんなに不謹慎でもありません。

 ……

 ……

 なぜ、「治水工事」としてしまったのか――

 ……

 ……

 一般に、

 ――比喩は難しい。

 とは、文芸の関係者の間で、しばしば指摘されるところですが――

 本当に、そうですね。